ＴＡＢ譜付で初心者もクラシックギターの基礎をおさえたなら、すぐにでもチャレンジしてみたくなります。難易度も書かれていて、たとえ弾けなくても「この曲は難易度Ｃ（Ｄ）だから、無理もないか」と安心できます。

「ラグリマ」、「アルハンブラ」、「禁じられた」などの世代から、「ブエノスアイレス」、「タンゴ・アン・」、「澄み切った」などの世代までカバーしている、新しい部類の楽譜です。

しかし問題は山積みです。楽譜の正確さの欠如。編曲の悪さ。運指のつけ方が悪い。ＣＤの演奏。オリジナルを勝手に編曲してしまうのは、芸術家からすれば贋作に近いのでは？あくまで、オリジナル譜が高いのでカタログとして買おう、という気持ちで、、　これ一冊で済ませるのはタブーです。
ある意味金字塔的スコア

タイトルに金字塔と書いたのは内容的な部分からです。つまりこの曲集を眺めてみると「サンバースト」「ブエノスアイレス」のような過去のギター曲集では掲載されなかった曲が盛り込まれている点です。特にこれらの曲は現代曲で著作権からかピースで１曲購入しても千円近い価格に悩ませていました。

それらのある程度不可能と思われていた壁を崩した意義は大きいかと思います。同社からリリースされている続編やヨーク曲集も同じ事が言えると思います。収録曲集も３０曲近くそれも全てCD模範演奏つきというCPの高さも凄いです。例えば「大聖堂」「アラビア風」「入り江の」「アンダルーサ」等はグレード的にも難曲に位置すると思いますが、音で実際の曲を学べるというのは意義大だと思います。私はこれらの譜面を持っていましたが上記の意味を期待して購入しました。

また、「エチュード」「白い恋人」「スカボロ」等巷でも多く見かけるアレンジですが、これもいい意味で期待を裏切られました。つまりアレンジがとても凝っているという事です。ギタリストなら解ると思いますが、同じ曲でもアレンジの良し悪しで弾く気分も随分違うもの。これらの曲はトレモロ奏法等を多様した中々のアレンジです。「枯葉」等もジャジーな感じとてもいかしています。

模範演奏は多少ミスタッチや乱雑さを感じますが、それはプロギタリストのCDに比しての事で、私のような素人には難曲もさらっと弾きこなす技量に目を丸くします。また、上記のような荒さはあっても右手のタッチや甘い音色は一流以上の音色を聞かせてくれます。
あの名曲をTAB譜で弾ける!！

　TVやラジオなどでクラシックギターの曲が流れていて、『これ、弾いてみたい！』と思っても楽譜がなかなか手に入らない。ネットなどで調べてみれば、1曲だけしか載っていない楽譜が千円前後の値段！！　やっとの思いで手に入れた楽譜も、五線譜に弦の番号が書いてるだけでわかりにくい・・・。こんな経験をされた方はいませんか？

　『クラシック・ギターのしらべ』はなんと全曲TAB譜付き！！
聴いたことのない曲があっても、全曲入ったCDが付属しているので大丈夫。もしかすると、あなたのお気に入りの曲が見つかるかも知れません。

　難易度もA(易）〜D(難)とあり、それぞれのレベルに合った曲を弾けるのが嬉しいところ。なんてったって28曲もあるのだから選び放題です。車のCMに使われている大人気のあの曲も入ってこの値段。はっきり言って『買い』です。

　高貴で手の届かない所にあるように思えてならなかった『クラシックギター曲』と『初心者』との間に隔たった『蜘蛛の糸』の横に、この楽譜集は『階段』を造ってくれました。あとは自分のペースで登るだけ。辿り着いたその先には、きっと、言葉に出来ないような感動が待っています。